加東市で進むもち麦活用の取り組み:農業振興から地域活性化、市民の健康増進まで
加東市でのもち麦づくりは、生産者の方々はもちろん、JAみのり、加東市、兵庫県北播磨県民局、マルヤナギが協働でおこなっています。
このもち麦づくりに関わるメンバーによって、2019年「加東市もち麦活用協議会」が発足しました。もち麦の栽培について知識を深めるだけでなく、もち麦を通じた「農業振興」「地域活性化」「市民の健康増進」に向けて活動しています。
1.加東市もち麦活用協議会の活動
もち麦栽培による「農業振興」
マルヤナギは商品に使う農作物を農家さんに作っていただくとき、商品を購入するお客様がどのようなものを必要としているかを農家さんに説明することが大切だと考えています。またそれと同じくらい、農家さんがその農作物を作るうえで、どんなことを課題と感じているかを教えてもらうことも必要だと考えています。
だからこそ、加東市もち麦活用協議会のメンバーは定期的に集まり、課題を共有し、それに対して何をしていくか、どのくらい進んでいるかを確認しています。
また協議会では、もち麦の生育具合を見て回ったり、農家さんへの勉強会を開催したりしながら、農家さんに「もっともっと品質の良いもち麦を作ろう!」と感じていただけるよう取り組んでいます。
もち麦を活用した「地域活性化」
加東市もち麦活用協議会では、もち麦で地域を元気にしたいと考えさまざまな取り組みを行っています。
加東市にある県立社高校の生徒たちともち麦を使った商品を共同開発。2019年は「スープで食べるもち麦 豆乳クリーム」(現在は販売していません)、2021年には「スープで食べるもち麦 和だしカレー」を発売しました。発売時には生徒たち自ら店頭に立ち、地域のみなさまに地元産もち麦をPRしています。
また、地域イベントの企画やもち麦料理コンテストの開催をする他、地元のケーブルテレビでの番組制作や加東市広報誌で特集記事の掲載等を毎月おこなうなど、地元のみなさまにもち麦の良さやもち麦に関する活動について知ってもらうことにも取り組んでいます。
ケーブルテレビ 番組撮影の様子
2021年10月 加東市もち麦料理コンテスト表彰式の様子
もち麦による「市民の健康増進」
-今日、自分が選んで食べたものが、自分の体を作る「もと」になる-
からだにいいものを選んで食べる「選食力」を子どものころから身につけてほしいという思いから、加東市の子どもたちに「もち麦」を通じて食物繊維や地産地消の大切さを伝える食育授業を行ったり、地域の公民館等で市民のみなさまに向けた健康セミナーを数多く実施しています。
また、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所、加東市と共に、「もち麦喫食による腸内環境や食生活への影響」を調査研究し、2021年にはもち麦喫食が健康に良い影響を与える可能性があるとの調査結果を得ることができました。
2021年9月 調査結果報告会の様子
日本人に不足しがちな食物繊維をおいしく手軽に摂ることができる「もち麦」を通じて、約4万人の加東市民の健康寿命を延ばすことに少しでも貢献したい。この実現に向けて、協議会のメンバー、地域のみなさまと協力して様々な活動に取り組んでいます。
2.さらに多くのメンバーで考える「加東市」と「もち麦」の未来
これまで加東市もち麦活用協議会として活動してきたメンバー、加東市観光協会や加東市商工会、県立社高校、加東市学校給食センター等、地域の様々なところで働くメンバーが新たに参加し、2022年「もち麦を活かしたまちづくり推進会議」がスタートしました。
加東市のもち麦を「知ってもらう」「食べてもらう」「楽しんでもらう」ことについて、いろいろな視点から提案・協議しています。
加東市の様々なところで、「もち麦」を特産品として拡げる活動が始まっています。
2022年5月 もち麦畑のサイクリングイベントの様子