「もち麦」はグルテンフリーと言える?言えない?アレルギーリスクと食べ方のポイント
グルテンフリーとは、グルテンが含まれる食べ物を控える食事法のことを言います。
主に小麦を使ったパン、お菓子、麺などを控えることが多いですが、小麦だけでなく、もち麦(大麦)も控えたほうがいいのでしょうか?
1. もち麦とは?
もち麦は「もち性」をもつ「大麦」のことです。大麦と小麦は同じ「麦」に分類されますが、別の麦です。
もち麦は、普段の食事で不足しがちな食物繊維が摂れることで人気。また、もっちりとした食感で食べやすく、食事に取り入れやすいことも人気の理由です。
2. グルテンとは?
グルテンは小麦に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のたんぱく質が結びついてできたものです。水を加えてこねると弾力性と粘り気が出るため、パンや麺を作るのに適していますが、炊飯には適さないという特徴があります。
大麦に含まれるのは主に「グルテニン」と「ホルデイン」という2種類のたんぱく質。
そのため、水を加えてこねても「グルテン」が作りされることはありませんが、アレルギーが全く起きないというわけではありません(後述)。吸水性が高いため、炊飯するのに適しています。
3. グルテンフリーとは?
グルテンを含む食品の摂取を控える食生活のことをグルテンフリーと言います。
特定の病気やアレルギーではなく、食生活の改善を目的にグルテンフリーを実践する場合、食べるものから小麦を完全に除去するのは大変なので、小麦粉を主として作られているパンや麺類、お菓子などを食べないようにして、グルテンの摂取量を減らすという方法をとる人も多いようです。
グルテンを消化しにくい体質の人がグルテンフリーを実践すると、慢性的に感じていた不調が改善されることがあると言われています。
4. もち麦はアレルギーが起きない?
もち麦(大麦)はグルテンが含まれないからアレルギーは出ない、とは言えません。
その原因となるのが「交差抗原性(こうさこうげんせい)」。
ある食品にアレルギーが起きる場合、その食品とタンパク質の分子構造が似ている他の食品を食べたときにも反応する場合があるというものです。例えば、エビとカニ、鶏卵とうずらの卵、牛乳と牛肉などです。
小麦と大麦はたんぱく質が異なり、それぞれ違う特徴をもっていますが、タンパク質が非常に似た分子構造を持ってるため、小麦アレルギーのある人が大麦を食べるとアレルギーを引き起こすことがあります。
必ずしも反応するわけではなく、小麦⇔大麦の場合の危険率は20%程だとも言われています。
アレルギーの原因 | 他の食品 | 危険率 |
---|---|---|
小麦 | 他の穀類(もち麦・ライ麦など) | 20% |
ピーナッツ | 他の豆類(えんどう豆・レンズ豆など) | 5% |
くるみ | 他の木の実(カシューナッツ、ヘーゼルナッツなど) | 37% |
さけ | 他の魚類(カジキ・ひらめなど) | 50% |
エビ | 他の甲殻類(カニ・ロブスターなど) | 75% |
牛乳 | 牛肉 | 10% |
山羊乳 | 92% | |
馬乳 | 4% | |
モモ | 他のバラ科の果物(りんご・梨など) | 55% |
メロン | 他の果物(スイカ・バナナなど) | 92% |
5. もち麦は食べてもいい?
小麦が原因となるアレルギーや体の不調がある場合は、必ずお医者さんに相談し、自己判断で食べないようにしましょう。
特に不調は無いけれど、「小麦を減らして食生活を改善してみたい!」「健康的な食生活がしたい!」という場合は、もち麦も少しずつ取り入れてみるとよいですよ。
もち麦はお米や小麦に比べて食物繊維が多いので、食生活の改善には強い味方になってくれます。