発売当時の蒸し大豆
現在の蒸し大豆
マルヤナギは1951年創業以来、煮豆、佃煮など伝統の技を継承しつつ、長年取り扱ってきた昆布、豆、もち麦などの穀類といった伝統的な食材の健康価値やおいしさを次の世代に伝えていきたいと考え、時代に合わせた創造的な食の提案に取り組んできました。
時は2002年、マルヤナギは「おいしい水煮大豆」の商品開発に取り組んでいました。健康志向が高まり、より薄味で甘さを抑えた煮豆が求められ始めた時期でもありました。ところが、出来上がる水煮大豆は、大豆本来のおいしさが失われたものばかりでした。開発は難航を極めていたある日のこと。大豆を茹でずに加熱したところ、ホクホクと栗のように甘い、理想の大豆が完成したのです。蒸し大豆誕生の瞬間でした。さらに蒸し大豆は長時間お湯で煮る水煮大豆と比べ水溶性の栄養成分やうまみの流出を最小限に抑えられることが分かり、2004年商品化が実現しました。
しかし水煮大豆が主流の時代、蒸し大豆は売れず、厳しい状態が何年も続きました。
お店にお願いをして置いていただいても売れず、継続して売っていただくことはなかなかできませんでした。
ところが、一度購入したお客様から、「どこで買えますか?」「おいしい」とたくさんのお手紙やお問い合わせが届くようになったのです。
「蒸し大豆の魅力を、もっとお客様に知ってもらいたい!」と私たちは強く思うようになりました。
そこで2010年頃から、マルヤナギの従業員は、全国のスーパー等のお店に立って直接お客様にご試食いただいたり、お話しをしたりしながら、蒸し豆の魅力をお伝えするようになりました。来る日も来る日も、蒸し豆のおいしさをお客様に紹介し続けました。マルヤナギの従業員が店頭でお客様に蒸し大豆をご紹介した日数は、発売からコロナ禍前までの15年間で、実にのべ5,000日を超えるのです。
またこの頃から、原料の大豆について農家さんとの取り組みがスタートします。
「毎日食べてほしい蒸し大豆だから、より安心できる原料を使いたい。人にも環境にも優しい農業を実現したい。」
こういった思いから、自分たちで大豆を試験栽培して農家さんの苦労を体験しました。
私たちが使いたい「おいしい大豆」は農家さんにとって「作りにくい大豆」。農家さんの課題も一緒に考えていきました。
そして、ついに蒸し大豆の小さな芽は大きく成長しはじめます。
蒸し大豆に転機が訪れたのは、2013年の秋。蒸し大豆がある雑誌の記事になりました。それをきっかけに、2014年、テレビ番組で蒸し大豆が大きく取り上げられたのです。
放送日はマルヤナギの従業員が集まってテレビにくぎ付けでした。
2017年夏に、再度テレビ番組に取り上げられたことも手伝い、蒸し大豆はさらに成長していきました。
そして、発売から15年経った2019年、蒸し豆市場が水煮市場を超えたのです。
2022年には、高齢者向け施設に「蒸し大豆」をお届けする「“節分に蒸し大豆を届けよう”プロジェクト」を始めました。
ご高齢の方は節分の「煎り大豆」が食べづらいことがありますが、そのまま食べてもふっくらやわらかく、大豆本来の甘みと香りのある「蒸し大豆」なら、安心して「節分」を楽しむことができます。私たちは、ご高齢の方にも節分を楽しんでいただき、大豆を食べて健康に役立てていただきたいとの思いから、毎年この取り組みを続けています。
また2022年、マルヤナギ公式LINEがスタート。同時に、情報サイト「蒸し大豆タウン」を開設しました。蒸し大豆タウンや、公式LINE、Twitter、InstagramなどのSNSを通してお客様とのつながりを大切にしたいと考えています。
そして2023年、ひきわりタイプの蒸し大豆が登場。「おいしい蒸し豆 蒸しひきわり大豆」です。マルヤナギの蒸し大豆は北海道の契約農家さんが育てた大豆を使用していますが、蒸し大豆が成長するに従って、大きさの大小や割れ欠け・皮の破れなどで通常の蒸し大豆には使用できない大豆の量も増えてきました。規格外でもおいしさは同じ。農家さんにおいしい大豆を作り続けてもらうためにも、規格外大豆を活用した商品をラインナップに加えています。
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2004年1月 | マルヤナギが日本初「蒸し大豆」を販売 |
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2004年12月 | 蒸し黒豆発売 |
2008年 | ISO9001取得 |
2009年 | 「蒸し大豆」がモンドセレクション金賞を受賞 |
2010年9月 | 蒸しサラダ豆発売 |
2011年 | 蒸し大豆・蒸し黒豆にてモンドセレクション金賞受賞(※4年連続) |
2012年 | 毎年6月4日を「蒸し豆の日」と制定 |
2012年6月 | 「蒸し大豆」に特別栽培の大豆を使用 |
2013年 | ISO14001取得 毎日だいず応援団の活動を開始 |
2015年 | 日本食品標準成分表(七訂)に「蒸し大豆」を掲載 有機原料使用の商品を販売開始 |
2016年1月 | トレースシステムの開始 契約栽培農家との取り組みで、生産者の顔が見える安全・安心なものづくりを目指して取り組みをスタート |
2016年4月 | 機能性表示食品を実現「蒸し大豆」「蒸し黒豆」「蒸しサラダ豆」3品での取得 有機JAS取得 |
2016年12月 | 『AskDoctors評価サービス』の推奨意向を受けた「医師の確認済み商品」に認定 |
2017年 | 蒸し豆PROJECTの活動を開始 海外向け商品の輸出開始 |
2018年 | FSSC22000取得 海外商品シリーズ拡大 |
2018年6月 | シリーズ合計「1億2,700万パック」を突破 ※日本で1人に1パック達成 |
2019年 | 発売15周年 蒸し豆の市場が水煮豆を超える |
2022年 | 「蒸し大豆広場」オープン |
2023年 | 蒸し大豆広場が「蒸し大豆タウン」としてリニューアル |
2024年 | 蒸し大豆発売20周年 |