大豆 vs. お肉・魚:たんぱく質の比較!食物繊維のメリットとは?
大豆は、お肉や魚にも負けない良質なたんぱく質が含まれています。さらに嬉しいことに、お肉や魚には含まれない食物繊維も含まれています。
大豆のたんぱく質の含有量や種類、おすすめの食べ方などを紹介していきます。
1. たんぱく質とは
1-1. たんぱく質のはたらき
たんぱく質は、栄養素の中でも特に大切な「5大栄養素」に入っています。
たんぱく質は筋肉、皮膚、臓器、骨、爪などの主成分となる栄養素で、実は私たちのからだの15~20%はたんぱく質でできています。
からだの中では常に新しいたんぱく質が作られ、分解され、からだの外に排出されていますが、たんぱく質はからだの中に貯めておくことができません。
そのため、一度の食事でたくさん摂るのではなく、朝・昼・夜と食事ごとに摂ることが大切です。
1-2. たんぱく質を構成するアミノ酸とは
たんぱく質は「アミノ酸」が連結してできています。
ヒトのカラダに含まれるアミノ酸は20種類ありますが、このうち体内で作ることができず、食事からの摂取が必要なものを「必須アミノ酸」と呼んでいます。
必須アミノ酸は9種類あります。
・イソロイシン
・ロイシン
・リジン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・スレオニン
・トリプトファン
・バリン
・ヒスチジン
・チロシン
・システイン
・アスパラギン酸
・アスパラギン
・セリン
・グルタミン酸
・グルタミン
・プロリン
・グリシン
・アラニン
・アルギニン
9種類の必須アミノ酸がどれくらいバランス良く含まれているかを示す指標として「アミノ酸スコア」があり、たんぱく質を摂るときのひとつの目安になっています。アミノ酸スコアは100に近いほど良質なタンパク質食品ということになります。
アミノ酸スコアが高い食品は大豆、鶏肉、鯵、鶏卵、豚肉、鮭、牛乳、牛肉で、いずれもスコアは100です。
2. 100gあたりの栄養成分の違い
開けてそのまま食べられて、大豆の栄養素がまるごと摂れる蒸し大豆は、たんぱく質が牛肉・豚肉・鶏肉に負けないくらい含まれていて、脂質が少ないという特徴があります。
また、お肉には含まれない食物繊維がしっかり摂れるのも嬉しいポイント。
蒸し大豆は、たんぱく質をたくさん摂りたいけど脂質が気になるという方、食事が肉や魚に偏って野菜が少なくなりがちで食物繊維の不足が気になる方にぴったりの食材です。
代謝アップに関わるマグネシウムやビタミンB群も一緒に補えます。
エネルギー (kcal) | たんぱく質 (g) | コレステロール (mg) | 脂質 (g) | 鉄 (mg) | |
蒸し大豆 | 186 | 16.6 | 0 | 9.8 | 2.8 |
鶏肉(もも) | 190 | 16.6 | 89 | 14.2 | 0.6 |
鶏肉(むね) | 133 | 21.3 | 73 | 5.9 | 0.3 |
豚肉(かたロース) | 241 | 17.7 | 76 | 19.3 | 0.7 | 豚肉(ばら) | 398 | 13.4 | 70 | 40.1 | 0.6 | 牛肉(かたロース) | 380 | 13.8 | 89 | 37.4 | 0.7 | 牛肉(ばら) | 472 | 11.0 | 98 | 50.0 | 1.4 |
食物繊維 (g) | カルシウム (mg) | マグネシウム (mg) | ビタミンB1 (mg) | ビタミンB2 (mg) | |
蒸し大豆 | 10.6 | 75 | 110 | 0.15 | 0.10 |
鶏肉(もも) | 0 | 5 | 21 | 0.10 | 0.15 |
鶏肉(むね) | 0 | 4 | 27 | 0.09 | 0.10 |
豚肉(かたロース) | 0 | 4 | 20 | 0.70 | 0.24 | 豚肉(ばら) | 0 | 3 | 14 | 0.45 | 0.11 | 牛肉(かたロース) | 0 | 3 | 14 | 0.06 | 0.17 | 牛肉(ばら) | 0 | 4 | 10 | 0.04 | 0.11 |
(データ:蒸し大豆→マルヤナギ小倉屋調べ、その他→日本食品標準成分表(八訂))
3. 大豆のたんぱく質の特徴
3-1. ソイプロテインはコラーゲン代謝がスムーズ
アミノ酸スコア100の優秀食材の中でも、大豆のソイプロテインは女性の味方。
皮膚の張りや弾力、保湿性に大きく関与する”コラーゲン”はたんぱく質の一種で、カラダの中にはアミノ酸からコラーゲンを合成したり分解したりする代謝システムが備わっています。
このコラーゲン代謝に深く関わるのが女性ホルモンのエストロゲンです。
大豆に含まれる”大豆イソフラボン”はエストロゲンを補うように働くので、コラーゲンの素となるソイプロテインと、大豆イソフラボンを一緒に摂れる大豆は、肉と魚とは一線を画す食材です。
3-2. 肉や魚には含まれない大注目のたんぱく質とは?
大豆には、肉や魚には含まれない大豆コングリシニンたんぱく質(β-コングリシニン)が含まれます。
このβ-コングリシニンは、“中性脂肪値を低下させる”「特定保健用食品(トクホ)」機能の他に、最近の研究で特別な運動をしなくても、毎日、大豆たんぱく質8gを食べることで筋力維持に関与していることが示唆されました。(The Journal of Medical Investigation Vol.62 2015)
このように、大豆たんぱく質はアミノ酸スコアが100に加えて女性に嬉しいことがいっぱいの超優秀な食材なのです!
4. 大豆たんぱく質をじょうずに食べるレシピ
蒸し大豆はやわらかく蒸してあって、そのまま食べられます。
食卓にたんぱく質が少ないかも、と思ったときに、煮たり焼いたりしなくても袋をあけるたけで料理にパラっとかけるだけで、たんぱく質をプラスできます。
納豆の代わりに「におわない納豆たまごかけご飯風」にしたり、サラダやヨーグルトにトッピングしたりすることで簡単に朝食にもたんぱく質を食べることができます。
朝食メニューに
たんぱく質や食物繊維が不足しがちな朝ごはんにサッと作れる、これ1つで満足のレシピ。
サラダにプラス
食卓が少し寂しいときにプラスするだけでボリューム感のあるサラダに。
お肉料理にプラス
お肉料理に蒸し大豆を加えると、たんぱく質と食物繊維がプラスできる。
ハンバーグにプラス
お肉の半分を刻んだ蒸し大豆にすると、ふわふわ感がおいしく、脂質も抑えたハンバーグに。食物繊維も一緒に摂れます。
ヨーグルトにプラス
朝食はたんぱく質が不足しがち。ヨーグルトに蒸し大豆をプラスすれば手軽にたんぱく質をオンできます。
スープにプラス
仕上がりにパラっと加えるだけで、具だくさんのおかずスープに。味噌汁にもよく合います。